一般社団法人とNPO法人の設立手続きにおける違い

当事務所が一般社団法人の設立に関連するご相談に対応させていただく際、よくあるご質問が「一般社団法人とNPO法人、何か違うんですか?」というものです。

また、実際に対応させていただくのが多いケースとして「最初はNPO法人の設立を検討していましたが、一般社団法人を設立することに変更しました」という経緯による一般社団法人の設立です。

一般社団法人とNPO法人の設立時における相違点

このページでは両者の違いについて、設立手続きを中心に比較します。

設立が完了するまでの日数が大きく異なる

一般社団法人は、定款を作成して公証役場で認証してもらい、管轄法務局に設立登記の申請を行えば、2週間程度で設立を完了させることも可能です。

一方、NPO法人は定款等の必要書類を作成し、まず行政庁(東京都での設立なら東京都庁)で書類の縦覧期間や審査期間を経て、行政庁の認証が完了したら管轄法務局での登記申請を行うことになります。

行政庁の縦覧期間(こんなNPO法人を設立しますよ、ということを都民等が確認できる状況に置く)と審査期間は数ヶ月を要しますから、一般社団法人のように2週間程度で設立を完了させることはできません。また後述しますが、NPO法人は設立に関与する人数が多くなるため、行政庁に認証してもらう以前に、書類を整える段階で日数がかかることも多いです。

NPO法人の設立完了までには、3ヶ月から4ヶ月程度はかかってしまうことになりまうs。

設立に必要な構成員の人数と要件が異なる

一般社団法人は、最低2名の構成員(より正確には社員)がいれば設立することができます。また、構成員がどのような関係にあるかは問われませんので、夫婦2人が構成員となる一般社団法人も設立することが可能です。

一方、NPO法人を設立するためには最低10名の構成員が必要となります。また、親族関係にある人が役員内に一定以上の割合で含まれることは認められませんので「10人も構成員が必要なら」と親族に声をかけて人数を揃えることも困難です。

設立時に必要な役員の数が異なる

一般社団法人設立を設立する場合、最低限の機関構成をとるなら、役員として必要になるのは代表理事1名のみで事足ります。

一方、NPO法人を設立する場合は、理事3名、監事1名、合計4名の役員が最低でも必要となります。構成員10名はなんとか集まったが、その中に役員就任を承諾してくれる人が4名揃わない!という事態は往々にして起こりえます。

設立書類作成の難易度が異なる

一般社団法人の設立では、定款の内容をしっかり定めてしまえば、あとは役員の就任承諾書など、全員分を集めることに手間がかかるケースはあっても、書類内容で悩むことはあまり有りません。

一方、NPO法人は定款の他にも事業計画的な書類等が求められるため、設立した後の活動内容や収支の動きがしっかりイメージできないと、設立書類全般を作り上げることが非常に難しくなります。

特に昨今、「とりあえず」で事業計画を立てて設立されたNPO法人が軒並み活動不能に至っていることもあって、設立の認証を行う行政の側でもより具体的かつ妥当な事業計画となっているか、厳しい目でチェックが入るようになっています。

設立のための手数料や税が大きく異なる

一般社団法人の設立手続きでは、定款を公証役場で認証してもらうための手数料が約5万円、法務局で設立登記を申請する際の登録免許税が約6万円、合計11万円のコストがかかります。

一方、NPO法人の設立手続きでは公証役場の手数料も法務局での登録免許税も不要であるため、コストゼロでの設立も可能です。

ただし、前述のように設立のために準備する書類の量や内容は格段にNPO法人のほうが手間がかかるため、なかなか自分たちで進めることが難しく、専門家の手を借りる割合が増えます。

となると、書類の量や内容等によってNPO法人設立に関する行政書士・司法書士の報酬額は一般社団法人設立の報酬額よりも高いのが通常ですから、設立コストはNPO法人のほうがゼロなので安上がりである、とまでは言えなくなってしまいます。

構成員の入会制限の可否が異なる

一般社団法人は、構成員の入会に対して一定の制限を加えることもできます。そのため、たとえば業界団体や学術団体において、ある一定の要件を満たす人をメンバーとして活動していくことが比較的容易です。

一方、NPO法人は構成員の入会に制限を設けることができません。誰もが参加できる、ということがNPO法人の大きな特徴の1つですが、この特徴によってNPO法人では活動が難しくなってしまう場合も考えられます。

団体としての活動内容に対して制限があるか否かが異なる

一般社団法人は、活動内容にほとんど制限がありません。そのため、「こんな団体を作りたい」という設立する人の希望に沿った一般社団法人を設立することは比較的容易です。

一方、NPO法人は法律で定められた特定非営利の活動を行うための団体であるため、「こんな活動を行う団体を作りたい」と思っても、その内容がNPO法人の活動内容として認められないというケースも考えられます。

NPO法人には知名度や税制優遇等があるが……

以上、一般社団法人設立とNPO法人について、主に設立段階で問題となりやすい相違点についてまとめてみました。

NPO法人のほうが一般社団法人よりも知名度があること、また要件を満たす場合には税制優遇も受けられる余地があることなどから、最初はNPO法人の設立を予定される方も多くいらっしゃいます。

しかし、実際に設立しようと思うと、様々な規定や制限によって設立手続きが暗礁に乗り上げてしまうことも多々起こります。

当事務所では、税理士、行政書士、司法書士等が共同して法人設立のご相談や手続きの代行に携わらせていただいております。NPO法人ではなく一般社団法人の設立にシフトすることをご検討中の方には、本当に一般社団法人で問題ないか等を含めて、相談・打ち合わせ等を通じてサポートいたします。

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