合同会社はどのくらいの日数があれば設立することができるでしょうか。
「ウチと取引するなら法人格がないとダメだよ」と言われ、商談を成立させるために短期間で法人格を取得する必要が生じるケースも多々あります。また、たとえば中古車を取り扱う仕事を始める際、中古車オークションに参加するためには会社である必要があるなど、事業の前提として法人格の取得が必要となるケースもあります。
最短1日で設立!とは言っても・・・
よく言われることですが、合同会社の設立は「超」急いで進めれば1日で完了することも不可能ではありません。ただし、それはあくまで法務局に対する設立の登記を完了させるのに1日という意味であり、1日で設立して翌日から合同会社として活動可能になるわけではありません。
合同会社の設立に必要な期間をイメージするにあたっては、合同会社として活動するために必要となる手続きの概要を押さえておく必要があります。
- 合同会社の定款作成
- 合同会社の印鑑作成
- 資本金の払込
- 設立登記に必要な書類の作成
- 法務局での合同会社設立登記の申請
- 法務局での審査
- 法務局の審査完了
- 税務署・都道府県税事務所への届出
- 金融機関での口座開設
ざっくりで説明してしまうと、合同会社を設立するためには上記のようなステップで手続きを進めることになります。
手続きのうち1から5までは、前述のように「超」急ぎで進めれば1日で完了することも不可能ではありません。法務局に合同会社設立の登記申請が完了すれば「ほぼ」設立手続きは完了ですから、その意味では合同会社の設立は1日で完了ということになります。
法務局の審査と銀行口座の開設に時間がかかる
とはいっても、法務局に申請すれば即、合同会社として活動可能かといえばそうではありません。実際には、法務局に申請した後に数日間の審査期間があります。この審査期間が完了しないと、新しく設立する合同会社の登記事項証明書や印鑑証明書が取得できません。
登記事項証明書や印鑑証明書が取得できないと、取引先との契約どころか税務署への届出や銀行口座の開設ができませんから、法務局の審査期間中はほとんど何も動けないことになります。
そして、意外と時間を要するのが金融機関での口座開設です。合同会社を設立したことを税務署へ届け出て、その控えがないと口座を作れない金融機関も多くあります。また、必要書類をすべて揃えて口座開設の書類を提出したとしても、そこから銀行・金融機関側の審査に数週間かかるケースもあります。
以上を踏まえると、合同会社の設立に必要な日数とはいっても、形式的な設立手続きに要する日数だけでなく、合同会社として活動可能な状況に至るまでの全期間を設立前からしっかりイメージしておくほうが無難です。
合同会社として活動可能になるまでに必要な日数
上では形式的な設立手続きは「超」急ぎで進めれば1日と説明しましたが、実際は会社の定款を作ったり、資本金の額を設定したりする段階で悩まれることも多く、形式的な手続きだけでも結構な日数を要してしまう場合も多々あります。
金融機関の口座開設完了までを含めて、合同会社として問題なく取引等の活動が可能に至るのは、スムーズに進めてもおおよそ1ヶ月程度を要すると考えたほうがよいでしょう。