退職したらすぐ開業したい!会社員として勤務中に法人を設立することは可能か?

現在は会社員として勤務しながらも、近いうちに独立開業するため、法人の設立準備を進めていく方もいらっしゃると思います。

では、他の会社に在籍中に自分の法人を設立することには、何か問題があるのでしょうか?

ここでは、ポイントを4つに絞って説明していきますので、ご自分の状況に照らし合わせてみて下さい。

  • 法律上の問題
  • 勤務中の会社の就業規則との関連
  • 競業避止義務との関連
  • 特定の業種の専任性との関連

法律上は問題なし

どこかの会社に勤務中に、自分で法人を設立して、その代表者に就任したとしても、法律上は問題ありません(禁止されていません)。

勤務中の会社の就業規則に注意

現在勤務している会社の就業規則が問題になってきます。

就業規則で副業を禁じている場合、その会社の在職中に法人を設立して、事業を行い収入を得ると、就業規則違反となり、最悪解雇の理由となります。

ただ、勤務している会社に退職する旨を伝えている状況で、退職後すぐに事業を始められるように、自分の法人を設立して準備しておくのは実際よく行われていますし、勤務時間中に自分の法人の業務を行っているのでなければ、就業規則上も特段問題にならない場合が多いかと思います。

退職後の競業避止義務について

就業規則によっては、退職後1~2年くらいの期間、同業他社に就職したり、自分で同業の法人を設立して営むことを禁止している場合があります。これを競業避止義務といいますが、違反すると損害賠償請求を受けることもあり得ます。

しかし、憲法には「職業選択の自由」が保障されているため、競業避止義務が無制限に認められるわけではありません。

過去の裁判例では、競業避止義務が有効とされるには、少なくとも次のような要件が必要とされているようです。

  • 就業規則に記載があること
  • 年数または地域を限定していること
  • 機密保持手当や退職金の増額等の代償措置(従業員側が受ける不利益に対する対価)が支払われていること

したがって、就業規則に競業避止義務の規定があったとしても、個別的に判断した場合、その規定が無効と判断される場合もあります。

特定業種の専任性との関連

例えば、宅地建物取引業(不動産業)を行う事務所には、5人に1人以上の割合で、専任の取引主任者を置く必要があります。

ご自身が専任の取引主任者で開業しようとする場合、他の職業に従事していたのでは、専任の取引主任者として認められず、宅建業免許を取得することができません。

このような、専任(あるいは常勤)が求められる許可業種において、ご自身がその専任者(常勤する者)になろうとする場合は、別の会社に勤務したままでは法人を設立することはできますが、その業種を始めるための許可を取得することができません。したがって、ご自身が開業したい時期に合わせて勤務中の会社を退職する必要があるでしょう。

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