ぜひ知っておきたい!個人事業を法人化(法人設立)する6つのメリット

法人を設立して事業を行うことには様々なメリットがあるため、多くの人が法人を設立して、事業を行っています。

法人化のメリットは大きく分けて、次の3種類に分類できます。

  1. 責任が限定される
  2. 節税ができる
  3. 安心感を与える

特に節税に関するものは沢山ありますが、ここではわかりやすいものだけに絞って、全部で6つのメリットについて説明していこうと思います。

  • 法人は有限責任
  • 給与所得控除で節税
  • 自宅を社宅にして家賃を経費にする
  • 自分に出張日当を支払って経費にする
  • 欠損金を9年間繰り越すことができる
  • 安心感を持ってもらう

法人は有限責任

個人事業を行っている場合、借入金や経費の支払債務について、個人が全責任を負います。つまり、個人の財産(私財)を処分してでも、それらの債務を支払う責任があります。これを無限責任といいます。

一方で、法人を設立して事業を行う場合、法人と個人は別人格になりますので、法人の支払債務の責任は個人の財産にまで及びません(個人が法人の借入金の保証をしている場合などを除きます)。

自分が法人設立時に出資した金額を限度に責任を負えばよく、これを有限責任といいます。法人化の大きなメリットの一つといえるでしょう。

法人化による節税メリット

給与所得課税で節税

仕事に対する対価を給与という形でもらっている人(給与所得者)は、仕事に必要なスーツやカバンを買っても経費に計上することができません。

しかし、給与収入を得るために必要な経費が一切認められないのでは、個人事業者と比べて不公平なので、給与収入に応じて一定割合の経費があるとみなして、給与収入から控除できることになっています。これを給与所得控除といいます。

個人事業でも法人でも、売上-経費=「所得」に対して課税されるのは同じです。

もし、個人事業を法人化して、自分に役員報酬(給与)を支払うようにすると、法人側では役員報酬は経費として認められ、個人(自分)の側では、もらった役員報酬から給与所得控除を差し引くことができますので、個人事業だったときと比べると給与所得控除の分だけ経費が増え(所得を減らし)、税引き後の手取り額を増やすことができます。

法人の所得が0になるように自分に役員報酬を支払うと仮定して、どれくらい税金を減らす効果があるかというと、例えば所得400万円の人が法人化すると、約30万円の税金を減らすことができます。日本の所得税は、所得が高くなるほど税率が高くなるしくみ(累進課税)になっているので、所得の高い人ほど法人化の恩恵は大きく、所得1,000万円の人の場合は、約80万円の税金が減り、所得1,500万円の人の場合は、約105万円の税金を減らすことができます。

自宅を社宅にして家賃を経費にする

現在お住まいの自宅が賃貸なら、個人で結んでいる大家さんとの賃貸借契約を、法人との契約に変更してもらいます(社宅扱いにします)。

そして、家賃は法人から大家さんに支払うようにし、法人は入居者(例えば自分)から社宅費として、家賃の2~5割をもらいます。やり方としては、給与支払時に社宅費を控除(天引き)する方法が一般的です。

これを行うと、法人が負担した家賃の5~8割の金額は、法人の経費になりますし、入居者(例えば自分)は、安い賃料負担で住めるので実質的には利益を得ているのですが、その利益部分には所得税や社会保険料は課されません。

 自分に出張日当を支払って経費にする

きちんと出張旅費規程を作る必要がありますが、そうすれば遠方へ出張した際に、出張した役員・従業員に対して、出張日当を支払うことができます。

そして、この出張日当の優れているところは、支払った法人の経費になるだけでなく、受け取った人の側で所得税や社会保険料が課されないという点です。

注意点としては、他の従業員が出張した際にも出張日当を支払う必要があることです。出張旅費規程を作る際に、役職により日当の金額に差を設けることはできますが、自分(代表者)だけに支払うことはできません。

欠損金を9年間繰り越すことができる

個人事業で赤字(欠損金)を出してしまった場合に、その欠損金を繰り越して、翌年以降の所得と相殺できる期間は3年間までです。

ところが、法人の場合は、欠損金を9年間も繰り越すことができます(資本金1億円以下等の要件を満たす中小法人の場合)。

例えば、開業したばかりの設立第1期目は、事務所を借りたり、設備の造作をしたり、仕事に必要な備品を購入したりするため、赤字になってしまうことは比較的多いといえます。

このようなとき、欠損金を繰り越すことで、2期目以降に所得が出ても、1期目の欠損金を相殺しきるまでは法人税を支払う必要がありません。赤字は出さないにこしたことはありませんが、もし出てしまった際にきちんと使い切るためにも、繰り越せる期間は長い方が有利です。

安心感を持ってもらう

名刺を渡した際に、個人事業でやっているのか、法人なのかはさりげなく見られています。

やはり法人の方が、きちんと事業として(本気で)行っているという印象を持たれ、安心して取引をしてくれることが多いです。

法人を設立すると、法人名義で契約することができ、法人名義の預金口座が持てます。売上が上がり、お客様があなたに支払いをする際、個人名義の口座よりも法人名義の口座を案内した方が、なんとなく安心して振り込んでくれるのではないでしょうか。

この安心感は、従業員を雇う際にも影響があります。個人事業では求人広告を見た人に「とても小規模なのではないか」、「長く働ける職場なのだろうか」、「社会保険はあるのだろうか」などと余計な不安を与えてしまう場合があります。優秀な人材を採用するためにも、法人であるという安心感が役に立つのです。

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